|
〜新しい医学の潮流〜
◆愛知県赤十字血液センター
◆中日気功研究会副会長
戦後50年、科学技術の進歩が本当に私たちを幸せにしたか?《医療の分野》でも、“科学の進歩"と人間の幸福について、私たちは、常に正しい判断力を持たねばなりません。
現代医学の主流は、臓器別、細分化傾向が強く、人体を機械論的に見がちです。医学は、生きて、生活している人間が対象なのです。見えない部分の存在としての人間、《波動》をキーワードとする“気"の動きにも注目してほしいのです。非科学的というだけで(今の科学のレベルでは証明出来ないという理由で)排除することは、医学の進歩にとってマイナスです。
西洋医学体系の弱点を補う「癒しのための総合的な医療」が望まれているという時代背景から、今まさに西洋医学と東洋医学が出会い、新しい医学の潮流が生まれはじめているのです。
東洋医学体系には『大自然のはからいに思いをよせ、“いのち''は天地自然の中の一部として生きている』という、人間をまるごと、全体として見る思想的背景を持っています。気の医学は、心身一如の「生命エネルギー」の存在'を実感させてくれます。
人間性の医学
さて、気の医学以外にも、新しい医学の潮流を感じさせるものがありますので、いくつかを述べさせていただきたいと思います。まず今年は4月に名古屋で第24回医学会総会が開催されました。会頭の飯島先生が「人間性の医学」と題して格調の高い講演をされました。
私たちの「東海ホリスティック医学振興会」の目指す医療の理念も『人間性の医学と医療を一生命の世紀をひらく一』という医学会総会のメインテーマと合致するはずです。しかし現実的には「目前の病める人・今悩んでいる人」一人ひとりにどうかかわるかが問題です。具体的な取り組みの方法を考え、行動しなければなりません。
飯島先生は、キーワードとして「人権」と『患者の白由意志の尊重」ということを強調されました。
これからの医療
疾病構造の変化と、進展する高齢化社会の現実にも敏感に対応しなければなりません。ホスピス医療を「敗北の医療」などとは考えないこと。プライマリ・ケアの役割を重視し、充実した患者の人生を援助し、不安と苦痛を和らげ、自己実現と自己治癒カを最大限に尊重できるように、総合的な医療を目指すべきです。在宅医療のありかたにも多くの課題が残されています。
科学技術の進歩があまりにも急激で、自然の法則を無視した場合、必ず歪みが生じます。その為には、医療者の側ばかりでなく、患者の側の正しい認識と節度も重要で、相互理解への努カが必要です。
あやまちを犯さない医療
私は現在、血液センターに勤務して、近代科学の進歩の一端を担う、輸血用血液、血液製材の原料としての血液の採取の現場にいます。周知の通り、血液は命を救う反面,感染の原因になりうる危険性があります。多くの善意のドナーによる無償の血液、「骨髄バンク」への登録希望者の自己犠牲の行為にも接しています。
しかし善意があっても、人知の及ばない、未知の思わぬ危険性が潜んでいるかも知れません。謙虚で真摯な姿勢が求められますし、その時その時代その国の、医療水準やコンセンサスも、重要な課題になります。
先端医療として、注目されている遺伝子医学や臓器移植などの医寮は、美談として受け止めるには、まだまだ多くの問題が残されているように思います。
インフォームドコンセントということ
インフォームドコンセントは、治療計画に関してばかリでなく、東洋思想の根源にある「肉体は有限のものという温和な「死生の哲学」を前提として、『信頼するお医者様に手を握らわて死ねたら満足』と言われるような医師と患者の信顛関係としても受け止めたいものです。
同朋大学の田代俊隆孝先生が《ピハーラ研究会》として活動なさっている数々の実績は、ホリスティック医療の仲間として、新しい展開が期待されると思います。

“いのち”の教育と死への準備教育を表裏一体のこと(デス・エデュケーション)として捉えておられます。
《死の看取り》を現実に体験したかどうかは“いのち"を知るのに大きな影響があります。生命に対して、傲慢な医療の場には《真の癒しの場》は成り立たないと思うこの頃です。
痛みのわかる癒しの場
病気、病人の特性に合った、チームアプローチが必要です。昔私は、自宅に結核の「自宅療養者の会」を作ったことがあります。患者自身の自己実現と自己治癒力の形成に役立ったようで、非常に喜ばれました。《痛みの分かる癒しの場》を作っていくことが望まれています。
先日、とても面白いお話しを聞きました。それは『人という字はノと\が支え合う、今までの人間関係、これからは、Hの関係も加えて考えて行きましょう』と言うのです。スグには意味がピンと来ませんでしたが、答えは『H』という字は
HーHと人が手を繋いた形でありHUMANのHでもあります。印象深い内容でした。
「気の医学」はやすらぎの医学
『気功の効用』について、帯津三敬病院での帯津先生の実践的ご活躍により徐々に理解されつつあります。
(「気功で病気を治す小辞典」;帯津良一著・二二晃書房参照)
調心・調息・調身という気功の三要素の、基本知識を身につけて“気"という《いのちのエネルギー》を“癒しの場"に取り入れることは、新しい医療の概念に不恩議な安心と希望を与えてくれます。
私自身は、背骨を中心として、脊髄の前後、左右、ねじり、∞、無限大の自由な動きなどを通じて、仙骨から頭蓋につらなる歪みを矯正し、イメージによる気のめぐりを味わう『禅密功』に出会ってから《これこそ西洋医学と東洋医学の出会いの気功法》と信じて、皆様にお薦めしています。
《気の医学》こそ、未病の医学、であり。やすらぎの医学です。『禅密功』から学んだ、東洋医学と西洋医学の接点については、折りがあれば述べてみたいと思います。
|
|