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東海
ホロス 帯津 良一
東海ホリスティック医学振興会顧問
帯津三敬病院院長
ホリスティック医学協会 会長
世界医学気功学会副主席
上海中医薬大学客員教授
調和道協会会長
http://www.obitsusankei.or.jp/
http://www.obitsu.com/clinic.html
 

 帯津良一先生 紹介                        
 1936年に埼玉県で生まれ、1961年に東大医学部を卒業後、消化器外科医として都立駒込病院を経て1982より帯津三敬病院長。
主な著作にホリスティックながん治療のバイブルともいうべき「がんを治す大事典」「ホリスティック医学の治癒カ」や中国医学、気功関係にも多くの名著がある。

 昨年3月と今年5月の当振興会主催のホリスティック医学セミナーは会場が満員となる大盛況の会となりました。いづれのセミナーでも帯津良一顧問に特別講演(「がん治療におけるホリスティックなアプローチの経験」と「人間全体を診るがん治療」)をして頂きました。セミナー終了後から私たちの予想を越える大変な反響があり、アンケートによると69%の方々が西洋医学を基本とする現代の医療に対する不安、不満、疑間を抱いていることが明らかになりました。対照的に、帯津先牛の医療の基本理念や内容に対する支持、賛同の声が圧倒的であったことも印象に残りました。 

帯津先生は、消化器がんを専門とする外科医としてがん治療で有名な都立駒込病院などで活躍されましたが、西洋医学の診断、治療技術が飛躍的な進歩をしているのとは裏腹に治療成績が伸び悩んでいることに常々疑問を感じてみえました。この理由が西洋医学の体質あるいは構造そのものにあって、「病気というものは、簡単に一つの原因、一つの内臓に帰するわけにはいかないのではないか。むしろ、人間を取り巻く内外の無数のストレスによって、人間全体としての調和が乱れ、秩序が失われた結果、なんらかの病気になるということのほうが多いのではないか。とすれば、病気を治療する場合、その現れた一つの局所だけを見つめていて、その背後に横たわる全体としての歪みを放っておいたのでは、いつまでたっても、病気は完治することができないのではないか」と考えるようになられました。('ガンを治す大事典'より)

いいかえれば、人間全体の秩序を回復する医学の必要性を痛感されて、漢方、気功などを勉強されるうちに中国医学が全体を見つめ、場の秩序性を高める医学であることに気づかれました。そこで、西洋医学に中国医学を組合わせたがんの治療の場として埼玉県川越市に帯津三敬病院を開設されました。帯津病院では、がんの治療に手術や抗癌剤などの西洋医学だけでなく漢方、気功、食養生などの中国医学さらに近年では心の治療として心理療法を加えた、総合的で全人的な、まさにホリスティックな医療が行われています。帯津病院には、全国から西洋医学的には根治の見込みなしとされた進行がん患者さんが多数人院されていますが、その3年生存率は進行度が高い人(V、W期)でも約43%と高く、西洋医学単独の場合早期(初期)がんを含めても3年生存率が40%前後であることを考えると、極めて良い成績です。

帯津先生は、高い見識と深い洞察力と共に、暖かく包容力のあるお人柄で、いつお会しても変らぬ澄んだ気に包まれておられます。毎朝、5時頃起きられ執筆や読書されたのち、病院の道場で患者さん達と気功をされるのが日課で、日本で数少ないホリスティックながんの名医でありながら寝る前の晩酌を愛される気取らない一面もお持ちです。一日中精カ的に外来に病棟にと跳び回られ、患者さん一人ひとりにあった方法を一緒に捜しながら、最後の最後まで諦めない医療をされています。帯津病院の治療成績が優れている理由として、先生の卓抜さと共に先生の人徳を慕って集まった、日本でも有数のホリスティックな療法家たちの存在も大きいと思います。今後もご自愛され、私たちの会の顧問として変らぬご指導、ご叱責をいただきたいと願っております。(恒川)


       場の医学    
                                                    帯津 良一  
 ホリスティック医学というものをなんとなく理解してくれる人が増えてきました。それでも時には、ホリスティック医学とは何ですかという質問をうけることがあます。ホリスティック医学が,あまりにも要素還元型に傾きすぎた近代西洋医学への反省あるいは批判から興ったことは間違いありません。だがら、全体というものは、それを構成する部分の総和よりも存在価値がある、という会体論(HOLISM)がその基本概念であること間違いありまぜん。

 ここまではいいのです。しかし、それでは、人間の全体というのは何かということになるとよくわからなくなります。だから、ホリスティック医学というものを説明しようとすると、いつも口籠りがちになります。日本ホリスティック医学協会の定義では、
@ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
  人間を、体・心・気・霊性などの有機的統合体と捉え社会、自然、宇宙との調和に基く包括的・全体的な健康観をもって臨むということである。
A自然治癒力を癒しの原点に置く
  生命が本来、自らのものとしてもっている「自然治癒力」を癒しの原点に置き、この自然治癒力を高め、増強することを治療の基本どする。
B患者自らが癒し、治療者は援助する
  病気を癒す中心は患者自身であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも養生が、他者療法よりも自己療法が基本であり,ライフスタイルを改善して、患者自身が「自ら癒  す」姿勢が治療の基本となる。
Cさまざまな治療法を総合的に組み合わせる
  酉洋医学の利点を生かしながら、中国医学やインド医学などの各国の伝統医学、心理療法、自然療法、手技療法、運動療法など、種々ノ療法を総合的・体系的に組み合わせて、  最も適切な治療を行っていく.
D病への気づきから自己実現へ
  病気を自分への「警告」と捉え、人生のプロセスの中で病気を絶えず「気づき」の契機として、より高い自己成長、自己実現を目指していく。となっています。
  実によく出来た定義です。これでほぼ言い尽くしていると思いますが、いかんせん長すぎます。立ち話の中ではとてもこれを披露する気になりません。

  そこで、私は、ホリスティツク医学どは「場の医学」である、と答えることにしています.これですと短くていいのです。しがし、これだけで『あっ!そうですか、わかりました」と言ってくれる人はまず居ません。だから、また口篭りながら次のような説明をいたします。私たちの身体は、臓器と空間とから成っています。臓器に注目してー大体系医学を築きながら、空間の方は一見、何もない空間として無視してきたのが、近代西洋医学です。 

 しかし、この空間は何もない空間ではありません。ぞこには、目に見えないとはいえ、さまざまな物理量が存在し、ーつの「場」を形成しているのです。その物理量とは電気であり、磁気であり、万有引力です。そのほかにもーつひとつの素粒子をはじめ、まだ発見されていない物理量も含まれているのに違いありません。

「場Iは、ある限られた空間に連続して分布する物理量と定義されています。したがって、その物理量が電気なら電場であり、磁気なら磁場ということになります。
そごで人体の場は、電場や磁場や万有引力場の重なり合ったものということになるわけですが、もっと生命と深くかかわり合う物理量が存在し、まとめて一つの『生命場」というようなものを形成していることは十分に想像できることです.
 
 さらに、生命場の状態が、大脳という臓器を通して外部に表われたものを「心」と考えるならば「心の医学」もまた「場の医学」というこどになります。
そして、ここがいちばん大事なところなのですが、私たぢの生命場は皮膚によって囲まれた閉ざされた空間ではありません。皮膚の隙間を通じて、呼吸を通じて外部とつながっています。他の人の生命場とつながり、大自然の場とつながり、共に「地球の場」を形作っています。地球の場は「宇宙の場」「虚空の場」へとはてしなく広がっています。

 −方、私の生命場は百五十億年前にこの宇宙が生れた時にすでに存在していたのです。そして、死によって肉体が滅んだあとも、消滅することなく、また百五十+億年をかけて故郷の虚空へと帰っていくのです。つまり、私の生命場は時空に大きく広がる存在ということになります。そして、この時空に広がる「場」の中に一人前一セットの臓器がゆるやかに結合しているというのが私たち人間の実相のような気がします。その実相こそ、私たちの全体ですから、全体を対象とするホリスティック医学は「場の医学」ということになります。
だからホリスティック医学の対象は一人ひとりの生命場に止まらず、環境の場も地球の場も、そして、死も死後も含まれることになります。

 ホリスティッグ医学が「場の医学」だということを、念頭に置いて、もう一度、日本ホリスティック医学協会の定義を読んで下ざい。五つの項目が、場の概念の導入によって、あざやかに一体化するのがおわかりになると思います。しかし残念なことに「場」の本質はまだ現代科学によって十分には解明されていません。だからホリスティック医学はまだ科学的ではないのです。けれども科学的でないことに引け目を感じることはありません。科学的でないのは科学の力不足であって、決してホリスティック医学の責任ではないからです。私たぢは自らの場を高めながら、胸を張って「場の医学」を推進していこうではありませんか。


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