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東海ホロス ホロス通信
東海ホリスティック医学振興会の歩み

東海ホリスティック医学振興会会長 恒川 洋
通信目次
vol.02 1994.10
 西洋医学は近代科学を基本としてめざましい進歩を遂げてきました。特に、近年の分子生物学や遺伝子工学の進歩に伴う医学の発達は、いまや、遺伝子レベルの診療までも可能にしつつあります。

しかし、一方で、進歩のかげに置き忘れられたもの、あるいは西洋医学が得意としない病気が増えてきているのも事実です。 西洋医学は、局所を分析的に診て行くため、病気の診断を得意とします。治療でも病気の原困が外因性の場合、例えば結核菌などによる感染症とか、先日の飛行機事故の緊急事態の処置などでは大変な力を発揮します。

しかし、原困が患者自身の内側にある場合、つまり内因性の病気である、成人病、がん、老人性痴呆、あるいは最近のストレス社会を反映して増えている心身症や精神病などの治療成績がいいといえる状態ではありません。また、医の倫理とか、患者と医者の関係性などが、医学や医療技術の進歩と同じ様に進歩しているかといえば、残念ながらイエスとはいえません。

むしろ国民の多くは懐疑的であり、現代の医療が木を見て森を見ずとか、病氣を見て病人を診ていない傾向にあることへの批判も根強くあります。 これほど医学が進んでいるのに、病気は増え続け、国民医療費は20兆円を越えてしまい、いわゆる医療不信といわれる時代になってしまったのは、なぜなのか?

この疑間に対する解答を捜し求めていくうちに、ホリスティック医学という新しい言葉に出会いました。欧米諸国において西洋医学の診療の弱点を補うために・西洋医学一辺倒であった医療の中に東洋医学などの伝統医学や民間療法を組み込もうとする医療概念です。

 しかし、西洋医学以外の民間療法や伝統医学のなかには、とても医学とは言い難い治療法も含まれていますので、何でもかんでもやればいいという訳にはいきません。 そこで、これらを客観的に評価するために、データによる裏付けを取りながら勉強しようということで1991年6月に東海地方の有志によってホリスティック医学を研究・普及する目的で東海ホリスティック医学振輿会が発足しました。

以来、3年の間に多くの同じ疑間を持つ人々との出会いがあり、ネットワークが形成されつつあります。毎月、顧問や理事の方々を中心とした各種のシンポジウム、セミナー、講演会などが定期的に開催され、講師も参加者も東海地方にとどまらず全国的な広がりをみせています。特に、昨年から始まった〔ホリスティック医学セミナー〕は市民公開講座の形式をとったため、毎回500名を越える一般市民の参加がみられました。

さらに・患者さんや家族を対象にしたより実際的な教室や相談会、講座も始まりました。今年は、〔がん患者さんの自己治癒力を高めるホリスティック医学講座(全12固)」が顧問や理箏の先生のご協カのもと、毎木曜日に毎回異なったテーマで開かれ、活発な質疑が続いています。
また、この会の活動のもう一っ大きな柱である'ホリスティック医学関連情報の提供、会報の発行”も、漸くこのHOLOS通信の発行で軌道に乗りそうです。

 今後の課題の一つに、ホリスティックな医療と西洋医学との融合のあり方を探ると共に日本の風土、文化に根ざした新しい医療・保健・福祉のネットワークづくりがあります。その基本理念は、現在の画一化された医学観とは異なる多様な価値観、死生観の存在を認め、自分の心身の健康は自分でまもり、病気の治療の主体はあくまで患者であることを明確にした上で、医療関係者、家族、ホリスティックな療法家、患者同士・メディアなどが緊密な協力態勢をつくりつつ、それぞれの役割を果たしていくことだと考えます。

 がん患者さんの自己治癒力を高めるホリスティック医学講座(全!2回)
第4回ホリスティック医学講座 中国医学  '94年6月23日(木)於:多目的ルーム  [講師 辛松峰 (振興会理事)]

「川の流れのように、新鮮できれいな水を流し込んで、濁った古い水を流し出す。からだに必要なものを取り人れて、不必要なものを出すこと。すなわち、病んでいると新陳代謝の働きが鈍ります。自然の川の流れのように、自己治癒力を高めることで体質も変えることができるのです。
中国医学では、『整体観念』といって天人相応(天は人と応ず)、形神合一(体と心が統一)などの考え方があり、人間と環境の全体化を計らなければなりません。また、“気”は、生命体を生かしも殺しもでき、環境、心身の歪みにも大きな影響があります」と、辛先生は話されました。
中国の北京中医薬大学助教授の辛松峰先生は、中国医学気功協会理事でもあります。辛先生の気功施療によって、健康を回復された方も数多くおられます。

 あるがん患者さんは、気功点穴療法で激痛が瞬間的に止まり、死ばかり考えていた方に、将来に目をやる余裕が生れました。ある方は、血の循環が良くなったのか、白髪が少しずつ黒くなったことに驚かれました。その他にもうつ病で家族、外部とも会話や交流が全くなく部屋から一歩も外へ'でなかった方が、徐々に精神が安定して半年で元気な状態になり、同一人物とは思えないほどの変化が起こりました。
自然治癒力の強化を基本におき、身体観でば、体を気の流れる場としてみるという中国医学。西洋医学で治らない病気が、中国医学によって容易に治ったというケースも珍しいことでありません。

中国医学が今再び注目されている背景には、西洋医学だけでは対処できない慢牲病が増えているという時代背景があります。
 病気の原因は複雑で未知の部分が多い上に病気の進行状態も一人ひとり違うのでそれぞれにあった医療が必要でしょう。また、病気を克服する基本はあくまで自分自身だという姿勢を忘れてはならないでしょう。(五十部)



 弟7回 ホリスティック医学講座
94.7月14日(木)於:多目的ルーム  [五十嵐桂葉(振興会顧問)]

「がんの原因はいろいろありますが、大きく分けると、食べ物が1/3、喫煙が1/3、その他ウイルス感染、放射線、アルコールなどで1/3と推定されていますつまり、70〜80%を占める食べ物と喫煙を注意することによって、多くのがんはコントロールできるといっていいでしょう」
現代の食生活の問題点についても熟知されている、臨床栄養学の指導者である五十嵐桂葉江南女子短期大学教授は、さらに続けられます。

「がんの研究が進むにつれて、がんをつくる食べ物・食習慣、逆にがんを防ぐ食べ物・食習憤がわかってきました。
たとえば発がんを抑制するビタミンCやべ一タカロチンが含まれている緑黄色野菜を多くとること。塩気の強い食品は胃がんを発生させやすいので、塩分を控えること。動物性脂肪のとりすぎは大腸がんや乳がんなどの発生を助長するので、脂肪を控えることなどです。

もちろん、がんを抑える食事を食べてさえいれぱ十分である、いうことではありません」
今がターニングポイントです。まず自分自身の食生活を含む、ライフスタイルを見つめ直すべきではないでしょうか。(田島)


 第8回 ホリスティック医学講座 自然療法
'94年7月21日(木)・8月4日(木)於多目的ルーム  [講師 加藤ヒロ子(振興会理事)]

加藤ヒロ子先生が主催されている「ヘルシングあい」では、予防医学としての「西式健康法」を基礎としながら、家庭で誰もができる健康法と自然療法の指導と実践をされている。

「私が、この道に入るきっかけになったのは、母の病気と死でした。母は、子宮がんになり、手術してがんを取り除いたものの、後に脳腫瘍で亡くなりました。私目身も子宮筋腫を手術で取ったんですが、そのあとずっと体調が優れず、健康を回復できなかったんです。これではダメだ、病になる体質そのものを変えなければ、病を本当に克服したことにはならないし、また新たな病気になると思ったわけです。体質改善の基本は当然のことながら'食'にあります。

体というものは、食べ物で作られるわけですからね」加藤先生は、具体的に「青汁療法」「生菜食健康法」「少食療法」など、甲田療法と呼ばれる食事療法のやり方について述べられた。しかし、これらの方法は、合う体質の人と合わない人がいるので、必ず最初は、甲田医院院長の甲田光雄先生の個別指導を受けて下さいとのことであった。この食事療法で、現代医療に見放されたがん患者さんが治っていったケースを随分見てきたという。

家庭でできる自然療法の実技指導もあった。ビワの葉温灸、コンニャク湿布、芋パスタなどを実際やってあげたところ、患者さんたちの顔がどんどん和まれていったのがはっきりわかった。

がんという病気の最大の敵は孤独感だ。自然療法のよさというのは、人間の生老病死がすべて病院の中でとり行われるようになった時代のアンチテーゼ、つまり、家族のつながりを取り戻し、文字通り、痛いところに手を当ててあげる手当て法によって、人のぬくもりや愛が患者のこころを癒し始める点にあるのではないだろうか。(岡部)


 特集 サイコセラピー(心理療法
 ストレスが、ガンの引き金になるということが、量近の「精神神経免疫学」によって明らになってきた。ストレスと発病の関係を調べた研究によると、孤独感、絶望感など、心がひどく傷む出来事から1,2年以内に発ガンしたり、その他の病気に罹る人が多いという。

コンロールできないほどのストレスが、病気と闘うT細胞などのカを弱め免疫力を下げるからだ。心と体、心と病気との関係が明らかなるにつれ、がん治療に「心理療法」を取り入れ動きが出始めている。

 弟5回 ホリスティック医学講座  カラーセラピー<色と癒しの関係>
94年6月30日(木)於:多目的ルーム  [講師  末永蒼生(振興会顧問)]

「皆さんは、ピカソの'青の時代"をご存じですか。ピカソは大切な親友を自殺で亡くしたあと5年間、青色だけを使って絵を描いていた時期があります。彼は徹底してその時の悲しみの感情を'青'で描き続けることによって、逆に癒されていったんですね。後に、恋人が現れて、彼の人生に光が差し込み始めると美しいピンク色を使い出すんです。「ローズの時代」の始まりです。

どうやら色というのは、想像以上に私たちの心のありようと深い関わりがあるようですね。では実際にそれを実感してみましょうか。画用紙に、今、皆さんが気になっていることや、苦しみ、悲しみ、怖れといった感情がありましたら、それを色で表現してみて下さい」

末永先生の柔和なお顔と声にリラックスしながら、参加者は、めいめい絵筆を動かし始めた。殆どの人が、何十年ぶりに絵筆を持ったという。絵を描くのではなく、色で感情を表現するだけでいいと言われ気が楽になる。参加者の多くは、自分あるいは家族が、現在がんと闘っているという人達だ。描き終わったものを見ると、やはり、ダークトーン、黒、灰色、茶、紺を多用している。

そういう色を選ぶであろうことは想像がつく。しかし、人事なことは、何色を選んだかより、自分の感情を表す色で'無心"に白い画用紙を塗りつぶすことで、心の中に深く沈殿していた“暗く重苦しい気分"が外に出ていくことを実感することなのだと思う。「では、次の画用紙には、健康になった自分が、ワクワクするような楽しいことをしているところ、気分がいいと思えるようなことをしているときの感情を色で表現してみて下さい」

次の絵は、皆、見事に美しいパステルカラーの世界、或いは、エネルギーに満ち溢れた極彩色の世界を描いた。黄色、若草色、淡いピンク、爽やかなブルー、エメラルドグリーン、真紅。明度が.止がるということは、光の世界、エネルギーの世界とのつながりを取り戻すこと。色による癒し一「カラー・セラビー」は、生きるエネルギーが内側から湧き出てくるような感覚を味わうことなのだろう。

患者さんの一人が、「ほら、見て。手がこんなに汗ばんでいるの」と、両手を広げてみせてくれた。その頬も紅潮していた。私自身も、体が温かくなっていくのを確かに感じた。おそらく、サーモグラフィーを使って実験すれば、何らかのデータをとることはできるのかもしれない。
色彩学と心理学の融合を目指して、独自のアートセラピー(芸術療法)に取り組まれている末永先生には、ソフトな雰囲気と優しい語り口に加え、人間の心を見つめる温かい眼差しがある。

末永先生がおやりになっている、さまざまなアートセラピーも、いつかは気功やヨガのように、その効果が科学的に実証される日が来るであろう。それは、西洋医学のみが医学であると信じている医療関係者に、ホリスティック医学への理解と認知を深める意味では、とても重要なことだと思う。しかし、今、がんと闘っている人には、科学で立証されるまで待っ悠長な時間はない。患者さん、及び、一般の人々にとって、今、最も必要なのは、科学で立証されているから信用できるという、私たちが憤れ親しんできた唯のモノサシがすでに'硬直化'し始めているということに気づくことではないだろうか。

私たちは、あまりにも忘れていた。自分自身の'実感"を信じることや、'感性'という、「生きる喜びの世界」を取り戻すことが、どんなに自分に生きるエネルギーを与えてくれるかということを。(岡部)


 第6回ホリスティック医学講座  心身医学・病むということ 病は又化である
94年7月7日(木)於:多目的ルーム [講師 竹内聡(振興会理事)]

「がんになった時、この病気の重さ以上に私を苦しめたのは、姑や周囲の者たちに言われた“あなたが悪いから、あなたが間違っていたからこんな病気にかかったのだ"と言われたこと」「夫に先立たれ、生きる希望も何も無くなって孤独な毎日を送っていた。一年後、私はがんになった」「手術のあと、12回の抗ガン剤投与の計画を医師から告げられた。でも、あまりの副作用の苦しさに、このままでは死ぬと思い中止してもらった。

医師の態度が豹変した。西洋医学を拒否するということは、見捨てられるということ。このときから、この病気は自分で治そうと決め、ホリスティック医学を勉強しはじめた」

 この講座を適して知り合ったがん患者さんが、ふと呟くれた言葉が心の中に残り、間題意識になっていたのだろうか、'心のしくみ"と題された竹内先生の講義内容のあらましが書かれた1枚の資料に目を通したとき強く魅きつけられるものがあった。「病むことが悲劇なのか、病むことを悲劇とする文化なのか」「健康とは柔軟性であり硬直状態は病である」「回復のためにできること一意識すること、つながること」

竹内先生のお話しを伺っていると、西洋医学が置き忘れてきたもの一病の「治癒」の癒の部分、「癒しの仕組み」のない現代の医療システムの問題点が見えてくると同時に、病というものが、如何に、その時代の文明や文化と密接に関わりを持っているかが分かってくる。病を患った人なら、ストレスの根源に、文化が意識に与える影響を感ぜずにはいられないだろう。

「勤労は美徳」という文化が、過剰ともいえる企業の競争体質を作り、遊ぷこと、休むことを二の次にして働くだけ働いて、ある日バタッと倒れる。「良妻賢母」という文化があるから、マタニティブルーもキッチンドリンカーも生まれる。女性は痩せているのが美という文化がある限り、拒食症、過食症という摂食障害は後を絶たない。自分の感情を押し込めて理性的であることを良しとする文化、病を戯れと見る文化・・数え上げればきりがない。

竹内先生がおっしゃる「健康とは柔軟性である」ということは、自分を縛っている社会通念、社会から期待されている役割から一度降りてみることを意味しているのではないだろうか。降りるということは、負けることでも、脱落することでもない。自由で柔らかな生き方を選ぶことであり、本当の自分と、人との真のつながりを取り戻し、心身両面から健康を取り戻そうという意志の選択なのだと思う。
竹内先生の講義の最中、何度も笑いが起きた。

本音で話してくれる面白さなのだが、これは、ある立場や現在のシステムに固執し守ろうとする人には決してないユーモアのセンスであり、おそらく立っている場所の独自性から生まれるものなのだろう。(岡部)

ご紹介コーナー<1>
○東海ホリスティック医学振興会顧問
帯津三敬病院院長 帯津良一先生
http://www.obitsusankei.or.jp/

1936年に埼玉県で生まれ、1961年に東大医学部を卒業後、消化器外科医として都立駒込病院を経て1982より帯津三敬病院長。
主な著作にホリスティックながん治療のバイブルともいうべき「がんを治す大事典」「ホリスティック医学の治癒カ」や中国医学、気功関係にも多くの名著がある。

昨年3月と今年5月の当振興会主催のホリスティック医学セミナーは会場が満員となる大盛況の会となりました。いづれのセミナーでも帯津良一顧問に特別講演(「がん治療におけるホリスティックなアプローチの経験」と「人間全体を診るがん治療」)をして頂きました。セミナー終了後から私たちの予想を越える大変な反響があり、アンケートによると69%の方々が西洋医学を基本とする現代の医療に対する不安、不満、疑間を抱いていることが明らかになりました。対照的に、帯津先牛の医療の基本理念や内容に対する支持、賛同の声が圧倒的であったことも印象に残りました。 

帯津先生は、消化器がんを専門とする外科医としてがん治療で有名な都立駒込病院などで活躍されましたが、西洋医学の診断、治療技術が飛躍的な進歩をしているのとは裏腹に治療成績が伸び悩んでいることに常々疑問を感じてみえました。この理由が西洋医学の体質あるいは構造そのものにあって、「病気というものは、簡単に一つの原因、一つの内臓に帰するわけにはいかないのではないか。むしろ、人間を取り巻く内外の無数のストレスによって、人間全体としての調和が乱れ、秩序が失われた結果、なんらかの病気になるということのほうが多いのではないか。とすれば、病気を治療する場合、その現れた一つの局所だけを見つめていて、その背後に横たわる全体としての歪みを放っておいたのでは、いつまでたっても、病気は完治することができないのではないか」と考えるようになられました。('ガンを治す大事典'より)

いいかえれば、人間全体の秩序を回復する医学の必要性を痛感されて、漢方、気功などを勉強されるうちに中国医学が全体を見つめ、場の秩序性を高める医学であることに気づかれました。そこで、西洋医学に中国医学を組合わせたがんの治療の場として埼玉県川越市に帯津三敬病院を開設されました。帯津病院では、がんの治療に手術や抗癌剤などの西洋医学だけでなく漢方、気功、食養生などの中国医学さらに近年では心の治療として心理療法を加えた、総合的で全人的な、まさにホリスティックな医療が行われています。帯津病院には、全国から西洋医学的には根治の見込みなしとされた進行がん患者さんが多数人院されていますが、その3年生存率は進行度が高い人(V、W期)でも約43%と高く、西洋医学単独の場合早期(初期)がんを含めても3年生存率が40%前後であることを考えると、極めて良い成績です。

帯津先生は、高い見識と深い洞察力と共に、暖かく包容力のあるお人柄で、いつお会しても変らぬ澄んだ気に包まれておられます。毎朝、5時頃起きられ執筆や読書されたのち、病院の道場で患者さん達と気功をされるのが日課で、日本で数少ないホリスティックながんの名医でありながら寝る前の晩酌を愛される気取らない一面もお持ちです。一日中精カ的に外来に病棟にと跳び回られ、患者さん一人ひとりにあった方法を一緒に捜しながら、最後の最後まで諦めない医療をされています。帯津病院の治療成績が優れている理由として、先生の卓抜さと共に先生の人徳を慕って集まった、日本でも有数のホリスティックな療法家たちの存在も大きいと思います。今後もご自愛され、私たちの会の顧問として変らぬご指導、ご叱責をいただきたいと願っております。(恒川)

  私のホリスティック医学観
     『私と東洋医学』〔第1回〕  東海ホリスティック医学振興会副会長 上島 久

15年程前のある日曜日・名古屋で『医師のためのハリ講習会」が開催されました。その日、父が参加する予定でしたが、急用の為行けなくなり、私が代りに参加することになりました。それまでは、ハリや灸のことに全然興味がなくイヤイヤ会場に入りましたが、見るもの聞くものが全て初めてのことであり、又、発表される先生が非常におもしろく話されるので、ハリについてもっと多くの事が知りたくなりました。

それと同時に、ハリや電気治療が難病に対して有効であり、副作用がほとんどないことも分かりました。その後、東洋医学に関する本を読み、ハリや漢方の講習会でいろいろ習ってくると、自分でもできそうな気になってきました。東洋医学に興味をもって一年後、先輩の紹介で80才の男性にハリ治療をする機会を得ました。

その人は2ケ月程前から右腕が上らず、大学の整形外科の先生に治療を受げるも改善せず、痛みの為に右腕はほとんど動かせない状態でした。私もハリで患者さんを治療するのは、初めてのことであり緊張していましたが、メア8という電気治療器を使用して20ケ所程にハリを打った後で、「自分で腕を上げてみて下さい」と言うと、その老人は恐る恐るゆっくりと右腕を挙上することができ、「ありがとう」と言って帰って行かれました。

その時のうれしそうな顔は今でも忘れることができません。治療をした私もハリの効果にびっくりしました。この事があってから、ハリや電気治療を日常診療に使用しようと決心し今日に至っております。最近、西洋医学の診断学及び治療学の進歩には著しいものがありますが、治療学においては今だに満足できるものばかりとは言えません。その不充分な所に東洋医学的治療法を利用していきたいと考えております。世界にはいろいろな治療法があり、民間療法も人れると非常に多くのものがあります。この中で自分に取り入れられるものは、できるだけ取り入れて患者さんの治療に役立てたいと恩っています。

BOOKS 上島久先生が薦める本のご紹介
☆針灸の理論と考え方 間中喜雄著 創元医学新書
☆びっくり特効ツボ 竹之内診佐夫著 ビタミン文庫
☆図説東津医学(基礎編) 山田光胤 代田文彦 著 学習研究社
☆痛みの新しい治療法 兵頭正義著 中外医学社
☆SSP療法  兵頭正義 北出利勝 著
☆爽快ツボ刺激法 中谷義雄著

☆編集後記
暑い夏も終り、秋嵐がとても気持ちいい今日この頃。皆様、如何お過ごしでいらっしゃいますか。
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋。etC...
大好きな音楽を聴きながら、朝早く目覚め散歩する。清々しく爽快な気持ちでリフレッシュ。
ツーウェイ・コミュニケーションを大切に、皆様の情報・企南アイデア・感想などお寄せ下さい。(五十部)
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